省エネ効果をうたう商品は多数出回っていますが、
実際の効果はどうなのでしょうか?
住友3M社の窓用フィルム「マルチレイヤー“ナノ”」を導入した
大阪大学基礎工学研究科で、その効果のほどを伺いました。
大阪大学基礎工学研究科(物質創成専攻)・教授 北岡 良雄
大阪大学の21世紀CEOプログラムである「物質機能の科学的解明とナノ工学の創出」の推進担当者を務めており、同大学基礎工学部の施設マネジメント委員会の責任者(省エネルギー担当)も兼任。
大阪大学基礎工学部でナノテクノロジーの研究を行っています。ナノテクノロジーは物質の超微細な構造の変化を制御する事で新しい機能を引き出す事ができる、未来の社会の根幹技術になると言われている技術です。
そのような研究に邁進する一方で、大阪大学の施設マネジメント委員会という、年間1%の省エネエネルギー削減を目標に取り組んでいる委員会の責任者も兼任しております。
窓用フィルム「マルチレイヤー“ナノ”」イメージ図。
窓に貼り日照を調整する(夏は熱の侵入を防ぎ、冬は保湿により空調効果を上げる)ことで、電気代のコストダウンに役立つといわれている。金属蒸着膜を使用していないため、従来存在する日照調整フィルムより耐久性に優れている。
去年までの大阪大学の省エネ活動の取り組みとして、空調の温度調節などの省エネルギー活動に力を入れておりました。使っていない部屋の冷暖房を必ず切るなどという事を行っていたのですが、個々の努力で省エネを行う事に限界を感じていたんですね。
例えば、定期的に空調のスイッチのON、OFFを繰り返すという事は多くの組織がやっている事だと思いますが、集中していると空調の調節も忘れがちですし、仕事の能率も落ちるわけです。
大阪大学基礎工学部では年間数億の電気代が発生するのですが、これ以上の成果を人の手によって求める事は難しいと考えました。そこで、「人の手を借りずにうまく省エネができる資材」の導入を考え始め、専門の業者にそういった商材の提案を求めたわけです。
- 「どこまでコストダウン可能? 大阪大学基礎工学・北岡教授が語る省エネフィルムの効果」